ファントムのオルガンは何オルガンなのか?
ファントムの楽器といえばオルガン。映画でも原作でも彼はオルガンを弾いています。いや、映画では弾いてるシーンはありませんけど。でも、本当に彼のオルガンはパイプオルガンなんでしょうか。
彼のオルガンがパイプオルガンだったとして話を進めてみましょう。映画で見る限り、彼のオルガンにはパイプとストップが付いています。ストップと言うのは鍵盤の横付近についているもので、それを引っ張り出す事により、鍵盤を叩くと音が出るようになります。ストップは大体数個付いていて、高音部分、中音域部分、低音部分になっています。オルガンが大きければ大きいほど、ストップの数も増えます。このストップをいくつ引っ張り出すかによって、高音だけで演奏したり、中音域を要れずに高音と低音だけ、等、さまざまな音色を出す事ができます。
パイプオルガンはパイプを空気が通る振動によって音が出ます。大体このパイプは全て一まとめで箱みたいなものに収められています。映画みたいにむき出しではありません。この箱の前面…据付のパイプオルガンなら指揮者側、要するに演奏者の正面には雨戸みたいなものが付いています。この雨戸もどきは足元のペダルと連動しており、ペダルを踏むと雨戸もどきが閉まり、音が弱くなります。ペダルから足を離すとペダルも上がり、雨戸もどきも開いて音が大きくなります。雨戸を開け閉めして音が漏れるか漏れないか、で強弱をつけているわけです。なのでむき出しのパイプでは音の強弱が付けられないわけですね。現代のオルガンは電気と言う便利なものがあるので、ファンを回してパイプに空気を送り込み、音を出す事ができます。もちろん19世紀当時には電気と言うものはありません。じゃあ、何でパイプに空気を送り込んでいたかと言うと、やっぱり人力な訳です。人が鞴を動かして空気をパイプに送り、音を出していたんですね。もちろん、オルガンの大きさも様々ですが、教会の大きなオルガンなどは成人男性5〜6人で鞴を踏んで、やっと音が出せるようなものもあるそうです。多分ファントムのオルガンの大きさなら1〜2人は必要だと思います。
さて、ファントムは超人見知りのヒキコモリなわけで、鞴を動かしてくれる人はいません。要するに彼一人じゃパイプオルガンは鳴らせないわけです。じゃああのオルガンは何なのか? ここで出てくるのが『リートオルガン』。足元のペダルをふみふみして音を出す、アレです。あれは足元のペダルを踏む事により、鞴で空気が送られて音が出ます。ピアノのペダルと違って空気入れみたいな感じになってるはずです。言うなればパイプオルガンの足鍵盤がなくなり、パイプが小さくなった簡易版みたいなものでしょうか。あれならファントムみたいに手伝ってくれる人がいなくても音が出せます。
結論…パイプもストップもただの飾りで、アレはリートオルガンである。
その証拠がマスカレードの赤ファントム。パイプオルガンは足鍵盤を使うので腰が引き締まるといいます(ソース:実家のピアノの先生)。ですが3ヶ月『勝利のドン・ファン』の作曲に明け暮れていたはずの彼はむちむちしてます。足鍵盤で低音弾いてたとは思えません。だからやっぱり、足鍵盤のないリートオルガンだったのでしょう。
というわけで、あのオルガンはパイルオルガンを気取ったリートオルガンなのです。きっと。